僕にはわからないこと

柚季

「あたしって、情緒不安定だけじゃ説明出来ないよね」

ﾕﾁｮﾝは隣に居る『彼女』の様子を伺っていた。
どんな返事をすればいいのか、わからなかった…というより、彼女がどんな返答を望んでそんな事を尋ねてきているのかがわからないから、返答のしようがなかった。

「んー…。難しい事聞くね」

「難しい？」

「そうだな…そう思う時もあれば、そうじゃない時もあるし、ずっとそうな訳じゃないでしょ？だから、難しい」

「そうかな？あたしは変わってるって自分で思ってるんだけど」

「…柚季が思うならそうなんじゃない？」

「ずるい答えだな」

「じゃ、なんて言って欲しかったの？」

「んー…わかんない」

「でしょ？柚季がわかんないんじゃ、わかんない」

「そっか」

柚季は時々自分の自己確認のような質問を投げかけてくる。
その問いに毎回ﾕﾁｮﾝは戸惑うのだけれど、結局うやむやになって話は終了してしまう。

「あたしね」

「ん？」

「ｼﾞｪｼﾞｭﾝに告白された」

「え？」

「だから、ｼﾞｪｼﾞｭﾝに告白されたの」

ｼﾞｪｼﾞｭﾝが柚季の事を好きなのを知っていたので驚きはしなかったけれど、ﾕﾁｮﾝは言葉を失った。

「あたしね、迷ってる。変でしょ？ﾕﾁｮﾝって彼氏がいるのにさ」

「…」

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