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「その娘、ジェジュンが好きなんだよ」
いつの間に現れてたのか、柚季が仁王立ちで立っていた。
はい?今、なんて?
ジェジュンは柚季の言葉を確認するように、言葉を見ると顔が真っ赤だった。
嘘だろ?
妹が好きだとわかってて、俺と付き合ったのか?
それはあまりに残酷だろ?
「柚季、冗談やめてよ」
「冗談じゃないよ。このは、ジェジュンが好きなの。分かった?」
「分かったなにも…それなのに、部屋に連れてきたの?」
「このはが喜ぶじゃない」
「はー・・・」
そりゃぁねファンとかだったら、喜んでくれるかも知れない。
でも、相手は姉の彼氏。
しかも、自分が好きな相手。
言葉ちゃんはどんな気持ちでいるんだよ…。
ジェジュンはいごごちの悪い、この空間から早く出たかった。
彼女からの部屋への誘い。
喜ばない男は居ない。
でも、これはあまりにひどすぎる。
「ジェジュンさん…あの、気にしないで下さいね。姉の彼氏になったって聞いたときから、私諦めてますから。姉には、昔から勝てないから…」
「でも、言葉ちゃんには言葉ちゃんのいいところあるでしょ?お姉ちゃんに最初から負けるなんて思わないほうがいいんじゃない?」
自分で何を言っているのかジェジュンは分からなくなった。
はたして、慰めているのか、ほうべんなのか…。
「ジェジュンがあたしを好きになったんだよ?このはがどうにかなる事じゃないじゃない?」
これまた、随分はっきりと言い放ったもんだと思うが、事実は変えられない。
ジェジュンが柚季を好きになったのは確かなのだから。
「あ、いや、そうなんだけど…」
「良いんですよ、ジェジュンさん。私はジェジュンさんファンでいいんです。それに、姉の彼氏がジェジュンさんじゃなったらこんな近くで会えないし」
なんだろう、この罪悪感は…
ジェジュンは、冷蔵庫から出した麦茶を喉を鳴らして飲んでいる柚季を見ながらなにやら複雑な気分で居た。
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