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「あたし、嫌われたのかな?」
ポツリと柚季は言葉に言った。
ユチョンにメールをした次の日から柚季は元気がない。
その事に心配した言葉は、ユチョンに連絡をしてみようと考えた。
しかし、身内ではあるけれど部外者である自分がしゃしゃり出てよいものかと思い悩んでいた。
「ジェジュンさんには?メールか電話してみたの?」
「怖くてできない」
「もう、人に嫌われないようにする臆病癖、いいかげん直しなよおねーちゃん!」
「あたしはどうせ、臆病ですよ…」
「まったく…」
ピンポーン♪
「誰だろ?こんな時間に…はーい…どちらさ…ってユチョンさん!」
「久しぶり、このはちゃん」
「はい、随分いらっしゃらなかったですもんね。あ、どうぞ」
「ありがとう」
部屋に入ると、後姿にあぐらの柚季。
「あ、あたし明日の朝食の買出ししてくるんで、ユチョンさんゆっくりしってって下さい」
「あ、うん」
気を利かせてくれた言葉の為に、もきちんと話さなくては…ユチョンはそう思いながら柚季を後ろから抱きしめた。
「たばこ臭い」
「あ、ごめん。緊張してつい」
玄関先でマルボロは半分になっていた。
これほど、柚季に会わなかったのは韓国へ戻って以来だ。
しかも、今はもしかして柚季の心には自分が居ないのかもしれない…だから、会うか、会わざるべきか悩むし、緊張もする。
これなら、まだライブをフルで3時間やったほうが楽だなどと思っていた。
「緊張…あたしに会うのになんで緊張しなくちゃいけないのよ」
「あぁ…だって、えーっとたしか…」
「3ヶ月ぶり」
「あぁ、そうそう、3ヶ月ぶり。
柚季は相変わらず小さくて温かいね」
珍しく、日数を柚季が覚えていたので驚いた。
それだけ、俺たちのことを真剣に考えてくれているのかと、勝手に思っては見るものの…単純に覚えていたなんて事もあるのが柚季なだけに、判断に困る。
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