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柚季と別れホテルに帰ると、ジェジュンが待ち構えてたようにロビーのソファーに座って戻ったユチョンを目だけで呼んでいた。
話がある…そんな具合に。
実際、ユチョンも話があったので丁度よかったが、内容を整理する前に顔を合わせるのはやはりばつが悪い。
「あのさ」
口火を切ったのはジェジュンだったが、その後が続かない。
「聞いたよ、柚季から」
「え?あ、あぁ…そうか。なんだ、話が早いや」
「うん」
「それで?」
「ん?あぁ、迷ってるってさ。なんだか、複雑な気分だよね、俺、一応『彼氏』だし」
「…ユチョン、俺さ」
「ジェジュンも本気なのは知ってるよ。前から好きだったの知ってるし」
「え?気づいてたの?」
「何年一緒にやってるのさ、気づかない訳ないじゃん(笑)」
そう、俺と一緒にいる柚季への視線に気づかない訳がない。
他人を見る目とは違う何か切ない視線。
それはきっと、感のいい柚季も気づいているだろう、視線。
ユチョンは随分前に皆に柚季を紹介した時の事を思い出していた。
「はじめまして、柚季です」
ユチョンの後悔はもしかして、その時から始っていたのかもしれない。
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