オレの正体知っちゃったな?

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「緊張してんの?」 横に座った男が言った。 自己紹介は最初に順番にしたのだが、まるっきり名前を覚えていない。 男も私の名前を覚えているとは思えない。 さっきから私はウーロン茶片手に、盛り上がるわけでもなくジッと座っているだけ。 「別に…」 会話の糸口を掴まれるのもシャクだから、そっけなく返事をして、飽きてきたウーロン茶を飲む。 お酒が飲めないから、必然的にウーロン茶。 「飲まないんだ?なんでコンパ来たの?」 隣の男がまた話しかけてきた。 ……うるさいな。 「人数合わせです。…分かるでしょ?周りの女の子と違って地味なんだから」 「ふーん…人数合わせ、ね」 男は、私の横に居る女の子や前に座る女の子を見て、再び、ふーん…と納得している。
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