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「へ…そう、なんだ…」
人数合わせの私にはなんの事情説明もいらないと思ったわけだね。
「よく、バレなかったね?」
「違うよって、言い張ったから」
「あ、そ」
まあ今となればどうでもいいけど。
「そゆこと!…で、どうする?」
髪はまだ濡れたままで服を着た佐々木拓海は、
タオルを首に引っかけながら、私を見た。
「ど、どうするって…?迎えにくるんでしょ?」
「まだ一時間くらいあるし。…オレと密室に2人きりなんて、絶好のチャンスじゃん?」
「な、なんの…?」
「ほーらほらぁ…またそんな怖い顔!笑ってよ。じゃないと盛り上がんないよ」
いつの間にか、佐々木拓海は私のすぐ目の前に来ていた。
ポケットに手を突っ込んで腰を折る。
視線が同じ高さになり、まともに目が合った。
「ベッドは?」
「…は?」
「どこ?」
「な、んで?」
「…ベッドでやることは決まってるでしょ。一時間しかないから、早く」
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