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「オレが、こんなに優しくしてやってんのに、声を我慢するって、どおゆうつもりだよ?」
髪をかきあげ、私を見た。
「どおゆうつもりって…私は私は、見知らぬあんたとそゆこと、したくない!!」
バッと身をよじって、佐々木拓海の脇をすり抜けた!
……いや、捕まった……。
「猫かよ。逃げれないよー?おかしいな、今まで嫌がる女の子いなかったのになー?」
首をひねりながら私を抱き直すと、それはそれは素早い動きで、うまいこと体制を整えてゆく。
「ギャー!やめやめ止めて止めて!!」
抵抗する私。
ジタバタと体をよじりったりねじったりの大騒ぎ。
「何なんだよ?余計なブリッコ芝居はいらねんだけど」
素肌に触れようとした手を止めて、佐々木拓海は私の顔スレスレまで自分の顔を近づけてきた。
その表情は不機嫌きわまりない。
眉にシワが寄っている。
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