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「じゃあ、今から外に出れる?」
「は?」
言ってる意味が分からなくて、眉をしかめて男を睨みながら、聞き返した。
私の顔を見て、吹き出す男。
「なんちゅーブサイクな顔してんだよ。…ここに居てもつまんなそうじゃん。
出よう。
オレ、いい店知ってるし」
「はあっ!?」
男の言うことを理解した私は、さっきよりもっと眉をしかめる。
……からかうにも、もっとマシな言い方あるでしょ。
私は服も髪型も、流行には沿っていない。
ごく普通のジーンズにチュニック。
ごく普通の、茶色のロングヘア。
グロスとマスカラとチークを適当に塗っただけの地味なメイク。
他の女の子と何人かで集まると、確実に印象に残らないタイプの人間だ。
いや地味過ぎて逆に変に目立つかも。
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