101人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
あきらめて、座り直す。
……なんか手持ち無沙汰。
唯一、この場にいることを主張するウーロン茶も無くなり、ほんとに何のために来たんだか分からない。
……ま、人数合わせだから。
ぼんやりとあたりを見回して、テーブルに片肘をつき、欠伸をした。
「ウーロン茶ひとつ!!」
その時、離れた所からよく通る声が響いた。
見ると、さっきの男がこっっちを向いてニヤリと笑っている。
「?」
目が合ったが特に反応する必要もないので、すぐ視線をはずす。
すると後ろから手が伸びてきて、ドンっとグラスが置かれた。
ウーロン茶。
「は………」
これ、あの男が頼んだんじゃないの?
「あ、これ、そっちのじゃ」
「あー飲んじゃっていいよ。ウーロンハイと間違えたから」
男はサラリとそう言うと、他の店員に改めてウーロンハイを注文した。
最初のコメントを投稿しよう!