進路と花火と。

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「おい帰宅部。何を2人でやってんだよ?」 「祭」 突然現れたユニフォーム姿の彼は金城祭、沖縄出身。 クラスのムードメイカーで彼女持ち。別に彼女どうのこうのなんて全然悔しくない。 …すみません…やっぱり嘘は付けません。 「居残り」 「進路希望出してないの、俺らだけなんだよ」 「へぇ」 「祭は何て書いた?」 「俺?俺は最初から大学もスポーツ推薦で出されてっから選択肢なんて貰ってねぇよ」 「流石だなぁ。かっこいいよなぁ、金城キャプテン」 「茶化すなよ」 光が棒読みで褒め称えると、祭は曖昧に笑ってわざとらしく考え事をするポーズをした。 「“我々が進もうとしている道が正しいかどうか、神様は前もって教えてくれない”」 「誰だよ?」 「アルバート・アインシュタイン」 僕が面倒くさそうに答えると、祭は「当たり」と親指を立てた。 うぜぇ! 「はいはい」 光が鼻で笑いながら左手で「あっち行けよ」と促す。 「とりあえず、やってみなきゃ正しいかどうかわかんねぇんだよな。だから俺はやりたい事をやるしかねぇと思ってる。お前らもそれでいいじゃん」  
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