進路と花火と。

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それは、わかるよ。痛いくらいに。 でも、分かっていても行動に移せない。 それが今と昔の僕。 祭と僕の違い。 「“大切なのは自分のやりたい事を自分で知っていることだ”」 「誰だよ?」 「知らん」 僕がそう言うと祭は嬉しそうに「勝った」という顔をした。 うぜぇ! 「スヌスムムリク」 「スヌ…何?」 「Google先生に聞いてみな」 ………こういうユーモア感と時に見せる知性が女にモテるんだろうなぁ、と僕は分析した。 無念。僕には出来ない。 光は「ケッ」と言いながらもケータイで早速Googleを開いている。 「そんな悩む男2人に良いもんやるよ」 祭はスポーツバッグからガサゴソと、また更に小さなバッグを取り出した。 「ほら」 「…花火?」 祭は、某有名な青い猫の付いた花火を取り出した。 祭に花火って、まさにピッタリ過ぎるだろうが!  
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