存在

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「そうなんだ。あぁ……。」 先生が電話で喋ってる。 「本当か!ありがとう!じゃあ一週間後だな、わかった。」 私はベッドから先生を見ていた。 電話を切った先生は看護師と何かしゃべっていた。 「私が…ですか…」 「すまない…一週間の辛抱だ…」 ―…一週間の辛抱? すると看護師さんはこっちを見た。 すごく怯えてる目… その目が伝える言葉… 怖い。嫌だ。嫌い。 『あ…あのっ…』 私が口を開くと 看護師さんは 「はっ…はいっ…なんですか…」 体を震わせて 目を合わせないで 弱々しい声を出す。 『何でもないです…』 「し…失礼します…」 と扉を閉めた。 『独り…か…』 独り…独り…ヒトリ… 暴れようとする右腕を 左腕で必死に押さえた。 『ハァッ…ハァッ…』 ―駄目…暴れちゃ…嫌われる… 『私…どうなっちゃうのかな…』
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