22人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
赤いフェアレディZは確実に俺に迫って来ていた。モニター越しに伝わってくる威圧感に、俺の心は完全に憔悴しきっていた。
既にモニターは、白い景色からマシンの赤一色に変わっていた。いつかわされてもおかしく無かったが、そこは俺にも意地がある。ここから本山選手と、お互いにベストラップを更新しながらのバトルが始まった。
俺は必死にフェアレディZから逃げた。いや逃げていると言うより見えない壁で無理矢理押されているような感覚だった。本山選手もかなりプッシュしているはずなのに、赤いマシンは平然と俺の真後ろに付いている。
俺はまた、長いストレートから1コーナー、コカ・コーラコーナーへとマシンを走らせた。そして、長く続いたバトルは最悪の形でついに決着が着いた。
最初のコメントを投稿しよう!