異変、異例にて異形な邂逅

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「名前のことは言うなあ!!」  結構、気にしてるんだ!  というか、普通は気にするだろう。 「お兄さん、私はお兄さんで良いと、妥協しているんです。そろそろ、了承してください」 「何、その、上から目線。何様だよ!」 「…ここいらのボス猫さまですよ」 「一つ言っておくが、全然、うまい返しじゃねえからな、それ」 「お兄さん、私を怒らせると野良猫に襲われますよ。ライオンまでいますからね」  おい!俺の住む街には野生のライオンが住んでいるのか?何なんだこの町は猫が喋るしライオンが野生化しているし。  だいたい勝った、お前は本当になんだよ! 「あれはキツイ戦いでした。連れて行った部下は全匹動けなくなり、戦えるのは私だけ。その中、私は一歩も引かずに必殺の猫パンチをタマの額にぶち込みました」  へえ~、タマっていうのかそのライオン。 「長時間に渡った戦闘と微弱ながらも1000匹の同胞の攻撃のダメージのお陰で私はなんとか勝つことができました」 「ちょっと待て、お前、なに。部下を1000人もとい1000匹引き連れて戦いを挑んだのかよ。相手がいくらライオンでもそれってただの集団リンチじゃん」  というか、ここ最近でそんな野良猫抗争があったのか、この町で。 「お兄さん、ライオンを―タマをなめちゃ駄目ですよ。なんたって、あのトラ次郎さんが一撃でやられたんですから」  誰だよトラ次郎って。知らねえよ。  そりゃあ、ライオンの一撃で猫は吹っ飛ぶさ。 「まあ、そこはあの歴戦の勇者、トラ次郎さん。やられる瞬間にカウンターを打ち込んでいましたよ。あの一撃が入っていなかったら私はタマに勝つことはできなかったでしょうね」  カウンターって……  強いんだな、トラ次郎。
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