きっと最後の恋。

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  「涼介の唇あったかい…」   「…そ?」   何度も角度を変えては   触れ合う唇と熱。   「っぷはぁ…。」   「………」   無言で離れようとする涼介の   背中にぎゅっとしがみつく。   「いちご…?」   「やだ…よ。……まだ…して」   「…うん。」   いつもより優しい君。   きっとこのキスが   「……っう…!」   最後のキスだからでしょう?   甘い香りに色っぽい吐息。   あたたかい唇を   涙がそっと冷やす。   「…涼介。ちゃんと   私のこと好きだった?」   突然唇を離して問いかける。   すると君は目を丸くさせ、   深くうなずいた。   「…。うん」   うつむいたまま顔を   一向に上げない涼介。   「…今も、すげー好き。   離したくない…っ」   ぐっと締め付けられる感情を   押し殺して、笑ってみせる。   「…はやく行きなよ。」   「いちご…!   本当にごめんっ…!」   「もういいから…。   振り向かないでよ   …泣いてるところ   見られたくないのに…っ」   ――これが、   「…バカ。アホ。     ……チビ涼介。」   きっと最後の恋。   - E N D -      
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