もう君がいない。

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  いっそのこと忘れたい。   出会ったことも、   触れるだけのキスも。   君を想うと切なくなるこの胸も。   「…ずっと傍にいるよ」   曖昧な約束なんかも。   全部、全部なかったことにして   「……離さねーよ。」   涼介は嘘つき。   世界一嘘つき。   嘘をついて私を苦しめる、   「…好きだ。」   ―――最低な男。   あんなこと言っておいて   散々苦しめておいて、今更   夢の中にでてこないで。   はやく忘れたいのに。   「こっち、…おいで。」   あの日の君が邪魔をする。   「ねぇ涼介…。   例えあれが全部   嘘だったとしても   許すから…。お願い   目、覚ましてよ…!」   冷たくなって。色白い顔で。   もう一度、「愛してる」って   抱きしめてよ。   「…心拍数停止しました」   ――あの日の君は。   「…なに、泣いてんだよ、   バカいちご。   …ほら、来い。   抱きしめてやる。」   もう、いない。   - E N D -            
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