告白されました。

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風に舞う桃色の花びらは、余生を楽しむかの様に静かにまだ冷たいアスファルトの上へと落下する。ここの所、二日間隔で寒暖の差が激しく変わり過ごしにくく感じる。 私立白藤(はくとう)学園高等学校。僕がこれから三年間通う学校だ。中学の担任からは「この成績では厳しい。一つランクを落としたら?」とまで言われたが、なんとか白藤に合格することが出来た。神様っているんだな、こう思ったのは他でもない自分が一番強く思っただろうと自負している。 「――在校生代表、生徒会会長、阿部明子(あべ めいこ)」 今、入学式の最中である。阿部さんだったかな? 登壇する際にポニーテールに纏められた長い黒髪が揺れる。普通に美人さんだ、そんな感想しか浮かばない。だって、怠いんだもん。まあ、軽く目の保養は出来た、かな。 日野本 智也(ひのもと ともや)。この作品の主人公である。まあ、まだまだ幼稚な所も多々あるが、主人公なのは変わりない。彼の物語が始まるのはこの一週間後のことで――。
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