2619人が本棚に入れています
本棚に追加
……ーーーー夢?
うっすらと優菜は目を開ける。
体が妙に軽く感じる。
むくりと体を起こし、ゆるゆると時計を見て優菜はパニックになり声がうわずった。
「ぃやーーっ! 昼、もうすでに昼! おもいっきし遅刻!?」
でも今朝確実に起床した事を思い出す。
(なんで!? 二度寝したの、私?)
そこへカチャリとドアが開き、レオの顔が覗く。
「もう体は平気?
親御さんに学校へ休む事伝えておいて貰ったから、心配しなくていいよ」
ベッドの端に座り、気づかうように優菜を見つめる。
(たぶん、貧血で倒れたんだ……)
今朝、彼が抱きとめてくれた感触を思い出す。
「ごめんねレオ驚かせて。私、貧血もちなの…そんなひどくないんだけど、たまたま寝不足だったからか…。油断したわ」
「…そっか。あんまり無理するな」
彼を心配させてしまった事に申し訳ないと思いながらも、こんな風に気づかってくれることが嬉しい。
キュルキュルキュルーーー………。
奇妙な音が部屋に響く。
優菜は顔を真っ赤にさせた。レオは顔を背けてプッと吹き出す。
「昼ご飯作ってあるよ。一緒に食べようか」
真っ赤を通り越して、涙目になった優菜はこくんと小さく頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!