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驚いた…本当にーー。
レオは自室のベッドに腰かけ、優菜が分けてくれた白い花をただ黙って見つめていた。
母が死んで祖父に引き取られたばかりの頃、いつも部屋に飾られていた花ーー。
この花を見るたび、あの辛い日々を思い出す。
スノードロップは葬列を思わせる花でもあるため、欧州では贈り物としてはあまり好まれない。
数年後…その意味を知り、愕然とした。
祖父は自分を厭うていたのだーー。
そのため本当は彼女に渡すのを躊躇ったが、何故か無意識に手が動いていた。
レオの顔が歪む。
「…本当に、面白い娘だ。 素直で人を疑う事を知らない」
戸惑いながらも自分と同居する事を決めた彼女。
相手は全く初対面の異性。
普通ならどう考えても断りそうなものなのに。
正直呆れた。
俺とは全く正反対で、初めて会った時はこんな人間が本当に存在するのかと戸惑った。
――だから、こんな事は簡単だ。
君を信じこませて、
そして裏切る。
造作もない事だ、とレオは嘲るように笑ったーー。
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