第三章

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俺が思いを明かすと、漣はさもなんでもないかのように 「そんなことか」 と、笑った …いや分かってたけどさ なんとなくね… 漣にしたらそんなことって片付けられるんだろうなってさ この天才野郎め……! 「そんなことって! 俺真面目に悩んでんだぞっ」 ていうか、誰のせいでこんなに悩んでると思ってんだよ!! 「嫌なら断ればいい」 漣は穏やかな笑みを浮かべながら言い聞かせるように話す 「ちがっ」 「俺は椿を好きっていう理由だけで、椿を選んだワケじゃない」 俺の言葉を遮って話す漣 何を言おうとしてるのかイマイチ分からないんだけど… 「椿にはきっと人を幸せにする力があると思う」 自分が気づかないだけで、と付け加える 何を言い出すのかと思えば…いきなりクサイこと言ってんな!! 恥ずかしいだろがっ だけどそんな俺とは裏腹に漣の口は、ごく自然に恥ずかしいことを言ってのける 「俺にとっては太陽」 だとか 「その光を浴びるのを独り占めしたいけど、しない」 …とか .
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