第四章

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「なにため息ついてるの?」 「いや俺の身長はどうやったら伸びるのかな~って」 「いいじゃん、今のままで」 "可愛いよ"とつけ足す 先輩…殴りますよ? 俺の睨みに怯んだ様子もなく、周先輩はニコニコ笑っている 俺ってそんなに目力ないのかな? てか問題はそこじゃねーよ、俺 「はあ…」 「あんまりため息ばかりついてると幸せが逃げるよ?」 「誰のせいだと思ってんですか」 「うーん、誰だろうね?」 あんただよ、あんた まあ言わないけどさ 俺の考えを見透かしたように小さく笑う 「あ、そう言えばコレ預かってるよ」 白い紙を手渡される え?何?これ 「学園長からだよ」 「え!?」 なんで学園長!? 俺、顔もよく覚えてないんだけど 少し不安になりながらも紙を開く そこに書いてあったのは… ん?どっかの住所? あれ、でもここ見覚えある気がするんだけど…どこだっけ? 「あと伝言だよ 『荷物はそこにある』ってさ」 「え!?」 なんでここに? てか俺の荷物がないのって学園長関係してんのか!? ……なんで? 「今から行くの?」 「そりゃあ、荷物も寝床もないですし」 軽く苦笑いで伝える 「そっか まあどうしてもそこが嫌だったら僕の部屋に来てもいいからね」 ポンポン、と頭を撫でる なんか先輩って兄ちゃんみたいなんだよな…いや俺兄貴いないけどさ それに寮長の部屋ってめっちゃ綺麗なんだよな おいてもらえるなら、お願いしようかな 「じゃあ、もしもの時はお願いします」 笑って言うと、先輩は頷く 「じゃあ、行ってきますー」 「行ってらっしゃい」 先輩の笑顔を背中に、俺は渡された住所の元へ向かった .
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