0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
そしてその大戦の最中、場所はウィンタリア神殿内部、予言の間にて……。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ガーンッ!!!!
ガラガラガラ……!!!
敵の砲撃が神殿を激しくゆらす。
「くっ……この神殿もあと5分ともたんだろうな…。
司祭ッ!!予言はまだか!まだ聞こえないのか!!!」
「あともう少しです!後はもう待つだけです…すぐのハズです!」
司祭は儀式用の魔法陣を囲み、呪文を唱えている部下に檄を飛ばしながらそう答えた。
「御告げを聞いても持ち帰らなければ意味がないぞ…!!!
ローゼン!!敵は来ているか!!」
「もう後はこの部屋の入り口の扉しかありません!!
30人程で守っていますが…もう突破されるのは時間の問題です!!
シュメイド騎士長!!指示を!!」
見ると予言の間の大扉が、一定の感覚で、ズシン…ズシン…と音を立てて揺れている。
敵の兵が丸太か何かで、大扉を打ち抜こうとしているのだろう。
「チッ……腹をくくるしかないか…!!」
そう覚悟したときであった。
敵が目前に迫り、今かと待ち構えている騎士長の元に、司祭が走ってきた。
「騎士長!!予言が!御告げが現れましたよ!!
し、しかもかなりハッキリとでています!!」
その内容を見て騎士長は驚く。
「こ…これは…。
司祭、これは必ず本国に持ち帰り、早急に対応を議論せねばならん!!」
その時。
ゴオォォォンッ!!!
ガラガラガラ……!!
予言の間の大扉が遂に破られた。
それと同時に風を切る不気味な音。
ヒュッ…グサッ!!
騎士長はその音が向かった先を、遅れ気味振り返る。
そこには、のどぶえをキレイにボウガンの矢で串刺しにされた司祭が倒れていた。
「司祭ッ!!おい!」
呼びかけたがシュメイドはすぐに気付いた。
即死だった。
「……ローゼン」
「騎士長……」
2人は意を決した。
「必ず予言を本国に持ち帰る。たとえ俺たち2人だけになってもな…。
ついてこれるな?」
「騎士長…もちろんです!!」
2人は同時に剣を抜いて、敵の方に突進していく。
「ぬあぁぁぁぁッ…!!」
「うおぉぉぉぉッ…!!」
最初のコメントを投稿しよう!