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「やった1番後ろじゃん!」
やっぱり嫌な予感は当たった。
「よろしく、えっと…」
「蒼井…」
名前を知らないわけがない。
私はある意味有名だから。
「あぁ蒼井ね、よろしく」
何この人…
噂に聞いてた以上に軽いノリ。
私の苦手なタイプだ…
「おれ雪村、雪村響」
「知ってる、さっき自己紹介したでしょ」
はぁ…春菜が横だったらなぁ。
「蒼井?あっ!もしかしてあの蒼井か!」
隣で雪村が驚いた顔をして言った。
「蒼井、お前何かしたの?変な噂立ちすぎだろ」
雪村は私に無邪気に話かけてくる。
「別に、ただ私はメンクイでヤリマンの女…かな?」
私は作り笑顔で返事をした。
作り笑顔がうまくなったと思う…
「へぇ…それでいいんだ?
否定しろよバカ」
雪村は笑いながら少し怒った。
「お前もうちょい自分を大事にしろよな?
蒼井はそんな奴じゃないだろ?」
あぁこの人は優しいんだ。
だからみんなから嫌われないんだ。
私は自然に涙が零れていた。
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