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私はそれから雪村を避けた。
隣同士だから仕方ない時もあるけどそれ以外は話をしなかった。
授業中私は雪村が言った事を思いだしていた。
『否定しろよ、バカ』
あの始業式の日に雪村が言っていた言葉。
否定しても変わるのかわかないけど何もしないでこのままは嫌だ。
「蒼井、おい蒼井!」
考え込んでて呼ばれてから気付くまでに時間がかかった。
呼んでいたのは隣の雪村だった。
「何?」
私は雪村を突き放すような言い方をした。
「眉間にしわよせてたら可愛い顔がもったいないよ」
私は知らないうちに怖い顔になっていたらしい…
「大きなお世話、それに可愛くないから」
あれからはこんな感じの会話しかしてない。
雪村がしゃべりかけても私がすぐ会話を終わらせる。
最低だね…
でも雪村と私にとってもその方がいい。
仕方ない…仕方ないのよ。
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