序章

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私は窓際の1番前。 毎年同じ席になるのはわかってた。 席替えがあるまではいつもここ。   「はいっじゃあ始業式の後HRだからな」   担任は去年と同じまだ若い男の先生。 たぶん自己紹介させて席替えってパターンだと思う。 去年は紹介中につっこみしてたけど今年もやるのかな?   「美紀っ!」   始業式の間私が先生の事を観察していたら後ろから肩を叩かれた。   「美紀、一緒のクラスになれたのに気付いてないんだもん」   と淋しそうな声でしゃべりかけてきた。 うるんだ丸い瞳 ふわふわな茶色の髪 思わず抱きしめたくなるような可愛いらしい女の子。 七瀬春菜だ。   「春菜、一緒だったんだ?」   教室にはギリギリで入ったし掲示板はまったく見てなかったから気付かなかった。  この子とは高校に入った時から同じクラスだった。 まさか今年も同じなんて驚いた。   「美紀は相変わらずだね」   可愛い顔で微笑む春菜を見て私も自然と笑顔になった。
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