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「くだらないなんて…そんな事ありません!
だってそれだけ黒崎さんは音楽に対して真剣な証拠じゃないですか。
真剣だから悩んで…苦しんで…
私はそれがくだらないとは思えません」
遥ちゃんはくだらないと呆れるどころかそれを否定してくれた。
やっぱこの子は美紀ちゃんと一緒で凄く心が優しいんやな…
「無理して笑ってくれなくても大丈夫ですよ?
黒崎さんが辛い時は…」
「なっ?ちょ、遥ちゃん?」
おれは遥ちゃんの行動に驚いてしもうた。
いやおれやなくても驚く思うけど…
おれが驚いている理由は遥ちゃんがおれを抱きしめたから…
おれは突然の事に鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたに違いない。
「私には黒崎さんの辛さをわかってあげる事ができません…
でもこうやって黒崎さんと一緒に感じる事はできます…
だから一人で抱えこまないで下さい」
そう言ってくれた遥ちゃんの胸は温かかった…
その温もりがおれを包むとともにおれの瞳から涙が零れた…
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