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「おい零!
もう出番近いのに何処いくねん?」
「ちいと外の空気吸うてくるわ。
がらにもなく緊張しとんねん」
心配するメンバーをよそにおれは笑いながら言うた。
緊張しとんのは嘘やない…
でもおれは遥ちゃんを迎えに行こうと外に出るんや。
みんなすまんな…
タンタンタンタンッ…
ガチャンッ!
「はぁはぁ…はぁ」
おれは階段を駆け上がり遥ちゃんと待ち合わせした場所に着いた。
ライブハウスからすぐの駅前は人がわんさかおって遥ちゃんを中々見つけられんかった…
「待ち合わせしていますから!」
「ええやんかぁおれと遊ぼうや」
なんやこのお約束の展開は…
遥ちゃんと初めて会った日の事が頭ん中で早送りしながら流れた。
「よくないんやなぁ…
おれが相手やからお兄さんごめんな?」
「う、あ、さいなら」
おれが声をかけるとナンパ男は声をつまらせ去っていった…
ザコキャラがボスを見た時みたいなリアクションしてからに…
まるでおれ悪者やないか。
「黒崎さんっ」
遥ちゃんの方を振り返ると遥ちゃんは嬉しそうにおれを呼んだ。
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