1話目: 春秋の想い

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きっと、具合が悪くなっちゃったんだ。 自分にそう言い聞かせ、悪い予感は胸の奥底に隠す。 それでも寝るときになってまたそれは姿を現す。 どうにかして眠って、また次の日仕事が終わってからコンビニへ足を運ぶ。 そこにやっぱり彼の姿はない。 どうしても気になった私は、レジをしていた店長とネームプレートに書いてある男性に声をかけた。 「すみません。ここで秋風さんって方が働いていたと思うのですが……」 私がそう言うと、店長は一瞬なんだかわからないような顔をして、すぐに暗い顔になった。
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