1話目: 春秋の想い

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電車で3時間。 私は秋風くんのお墓の前で手を合わせていた。 ここにきたのは二回目だった。 一回目は高校2年生の時、秋風くんの友達が誘ってくれた。 その時は来る途中で悲しくなって泣いてしまったのを覚えている。 秋風くんの眠るお墓はとても綺麗で、よく誰かが来ているんだろう。 「君は……」 私がお墓の前でしゃがんでいると、後ろから声がかかった。 振り返るとそこには、秋風くんのお兄さんがいた。 「あ……こんにちは。私は、翔くんと高校生の時同じクラスだった者です。」 とりあえず簡潔に、挨拶と自己紹介を済ます。 .
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