1話目: 春秋の想い

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8年前、私が高校2年生の夏に秋風君は交通事故で命を落とした。 家族で旅行していた彼の乗った車は、いきなり曲がってきたトラックと衝突して、トラックを運転していた男性、そして秋風君と秋風君の両親が亡くなった。 唯一助かったのは、秋風君のお兄さんだけだった。 私達クラスのみんなはもちろん、学校中が悲しんだ。 ただ悲しむことしかできなかった。 それから数カ月して、彼と同じクラスだった私達と、彼と親しかった友人と、彼に純粋に恋をしていた女子以外はだんだんと彼の存在を小さくしていった。 私達も、秋風くんに引きずられないよう頑張ってきた。 秋風 翔 は もういない .
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