転校

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階段を5階まで上がり、教室のざわめきが聞こえる廊下を歩き、目指す教室に向かう。 「着いたわよ、姫乃さん」 見上げると教室のプレートには「1-C」と書かれていた。 「さあ、入るわよ。準備はいいかな」 先生は不安げな表情のみことに確認する。 「はい」 先生がみことを連れて中に入ると、それまで騒がしがった教室が静まり返った。 「今日から転校してきた姫乃さんです。みんな仲良くしてあげてね」 先生は教室内の生徒全員を一瞥すると、みことを促した。 「姫乃みことです。よろしくお願いします」 お辞儀をして顔を上げると、皆が好奇な目で自分を見つめているのがわかり、自然と顔が赤くなる。
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