1354人が本棚に入れています
本棚に追加
「すみません、先生。ちょっと困るんですが……」
大神君と呼ばれた彼が立ち上がって困惑した表情を浮かべた。
先生は、訝しげな顔をするが、すぐに納得する。
「あ、そうか。そうだったわね。でも他に席が無いから少しの間、我慢してくれる、大神君?」
「…………わかりました」
先生の懇願に諦めたような彼。
?
意味不明な会話を聞きながら、みことが彼の隣に行くと、うろたえて遠ざかろうとする。
「姫乃です。よろしくお願いします……? どうかしました?」
隣の席に着き、彼の方を向き不思議そうに尋ねる。
「いや、何でもないけど……ち、近づかないでくれるかな……あ、自分は大神 良(おおがみりょう)と言います」
最初のコメントを投稿しよう!