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「みこと、本当に大丈夫? 無理に学校へ行かなくてもいいのよ」
玄関で祖母が心配そうに声をかける。
何度も聞いたその科白にみことは正直げんなりしたが、心配しての言葉とわかっていたので笑顔で答えた。
「ありがとう、おばあちゃん。本当にもう大丈夫だから」
「でもね……」
不安げにみことを見る。
「じゃあ、行ってくるね、心配しないで。なるべく早く帰るから」
祖母の言葉を遮り、表へ出た。車で送り迎えするという申し出も断っていたので、歩いて学校へ向かった。
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