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ベッドの上からぼんやりと窓の向こう側を眺めていた。
ただ広くただ青い、いつもと変わらない景色を。
耳には風の吹く音とカーテンの揺れる音、葉の擦れ合う音や鳥達の音色。
近くの道を走る車の音も聞こえる。
青空を流れる雲は自由を象徴し、羽ばたく鳥には、俺にはない一生懸命さを見せつけられた。
単純に羨ましく思えた。
特別にすることはない日常。
変わる事のない日々。
ただ過ぎゆく今。
刹那の時すら大事にしなければならないという思いは頭にあるものの、動くことは出来ずにはいた。
高校生活二年目となる年の春
俺はただ生きていた。
/ ~「 」~
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