~プロローグ~

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 無論、さっき感じた虚しさのように、それを悲しいものだと感じ、否とする自分もいる。  だがしかし、実際に友達の遊びに付き合ってみると、やっている間はそれなりのものを感じるが、終盤には 「くだらない」 「しょうもない」 「つまらない」 「時間の無駄だ」 と考えてしまい、急激に熱が冷める。  同じことの繰り返し、真新しいものの発見のない、連続する日常。  それが俺を腐らせた原因なのだろうか。  努力しなければ何も生まれないとは言うが、それは偶然と必然が生み出した因果関係の下、現実に満足がいった者、もしくはあまり物事を考えずに生きていた者の発言だと思う。  流石の俺もこんな屁理屈な理論まがいのものを人前でいうことはないし、こんなことを思っているなんて知られないように生きている、そして生きていく。  なぜなら、これからもそれなりに心のうちを知ってくれるような誰かが俺のそばにいてくれるとは限らないが、もし居た場合に、そうしないとイタイ人もしくは恰好つけって思われてしまい、恥ずかしいし、気に食わない。  つまらない人間になってしまった俺だって、これぐらいのプライドを持っていたりする。  というか、世間をまだ捨て切れていないということの現れでしかないのだろう。
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