~プロローグ~

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 担任となるのであろう教師を待ちわびて、どこかで聞いた、耳に残っている音楽のリズムに合わせながら人差し指の爪でこんこんと、机を叩きながら花びらを眺める。  そのリズムは時として花びらの舞い落ちるそれに合わせたりしたため、不規則且つ不連続に音を刻む。  風が吹き、花びらが舞いあがると空白の時間。  全体的に落下速度が上がるとその分、刻む量も増える。  風は自分の思い通りのタイミングで吹かないため中々難しく、すぐさまとは言わないがそんなに時間がたたないうちにゲームオーバーとなってしまう。  なんだかんだである程度の時間を潰して一息をついた。  リズムを刻まない間にも一つ、また一つと地に落ちていくのだが、これ以上やってもどうしようもないので、指を宙に浮かせる。  この退屈な時間は、ろくでもない人間に成り下がった自分への、天からの罰なのではないのか、そんなことさえ思ってしまう。 ……暇とは無宗教な人間さえにも神を信じさせる力があるようだ。  予定よりだいぶ遅くれて、約二十分と行ったところであろうか、俺たちの担任となるのだろう先生が目の前に現れた。 特徴といえばだれがどう見ても体育会系だというに違いない、がっちりとした体格に、それに見合った身長。七年前くらいだっただろうか、日本にて驚異的なブームを引き起こしたサッカー選手のそれ に近く、それでいて某もやしのコマーシャル等が印象的な芸人によく似た髪形をしている。
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