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その声で、ウィルはハッと、自分が撃たれて負傷していたことを思い出した。
しかし、痛みは全く感じない。
だから、言われるまで気付かなかったのだろう。
彼女が治療してくれたのだろうか?
ウィルは試しに、傷の辺りに手を伸ばす。
包帯はすでにはずされているようで、傷のある部分には、かさぶたのようなものが出来ていた。
血も止まっている。
この傷、いつの間にここまで回復を……?
ウィルは疑問に思いながらも、彼女に返事した。
「ああ、大丈夫そうだ。」
ウィルはそういうと、しばらく間をおいてから、彼女に聞いた。
「あんたが運んでくれたのか?」
「あ、はい。私とアルティミス。それからアイリスに。」
彼女はそういうと、ちらっと横を見る。
それと同時に、今度は、自分の足元の方。
彼女が今、目をやった方向から声がした。
「はい、おはよー!元気?すごい出血だったけど?」
元気で、明るい女の声。
ウィルはそのままの体勢で、声の方を見る。
そこには、こちらに向けて手を振りながら、笑っている女がいた。
こちらは始めてみる顔だった。
年齢は、草原で会った二人と同じくらいだろうか。
金髪のショートの髪は、彼女の明るい雰囲気を見事に増加させていた。
なんだか、感じは良い。
その、見るからに明るそうな彼女は、続けて話す。
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