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「ああ、どうも……」
ウィルがそう呟いた。
その時。
ウィルは、今の紹介から、ある事に気付いた。
さっきアイリスは、彼女の事を「王女」といったよな……
王女ということは、国王の娘というわけだ。さっきのアイリスの説明でも、そう言っていた。
ということは、自分の目の前にいる人物は、この国のトップに限りなく近い人間ということになる。
そんな事とは知らず、自分は馴れ馴れしい口調で彼女に話しかけていたというわけだ。
そして、そんな事とは比べ物にならないほどのミスを、すでに自分はしてしまっている。
そう、俺が彼女と始めて出会ったときのことだ。
自分はあろうことか、彼女とその護衛に銃を向けてしまったのだ。
自分が勝手に領内に現れたにもかかわらず。
これは、とてもまずいことをしてしまったのではないか?
本当に国際問題に…
そうなれば、自分は除隊どころではすまされなくなる……。
クソッ……
どこまで運がないんだ俺は。
「さあ、こっちの自己紹介も終わったわけだし。」
こちらが俯いて悩んでいることを知ってか知らずか、アイリスが体勢を戻し、自分に話しかけてきた。
「あなたが話す番じゃない?自分が何者なのか。」
「………」
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