異なる世界

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「あの、失礼ながらお尋ねしたいんですけど?」 一応言葉づかいも気を付ける。 これ以上失態を増やすわけにはいかない。 「あ、はい。何でしょう?」 王女様がそう返してくれたので、ウィルはすぐに質問をした。あの疑問を。 「この傷は、どうやって治療してくださったんですか?」 「ああ、それはですね。」 王女様はそれが聞きたかったのか。というような感じでこちらを見ると、微笑みながら言った。 さっきのアルティミスとのやり取りの時よりも、もっと想定外の事を。 「治癒魔法です。」 「………え?」 「聖魔術の治癒魔法ですよ。私、人を癒すのは得意なんです。」 「魔法……ですか?」 「え?はい。」 王女様はこちらが何に対して疑問を抱いているのかわからないようだ。 しかし、ウィルの頭の中では、そんなことよりもっと大きな疑問やら、理解しがたいことが蠢いているところだった。 魔法? 魔法? 魔法。 魔法ね。 ああ、 俺はいったいどこに来てしまったんだろう……?
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