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そんな考えをしていると、アルティミスがまた声をかけてきた。
「貴様はこちらに来る直前、一度死んだんだよな?」
「うん?死んだというか、死んでないとおかしい状況になったというか……。」
「そうか、ならば。」
彼女はそういうと、いきなり腰のホルスターから、フリントロックピストルを抜く。
そして、そのままその銃身を、素早くこちらに向けたのだ。
「もう一度死んでみると、元に戻るかも知れないぞ?」
「止めてくれ。頼むから。」
彼女に向かってウィルがそういうと、アルティミスはまた、素早い動作でホルスターに銃を戻した。
全く、何を考えてるんだろうコイツは……
「これは冗談だ。」
「ああ…そうか。」
この女がそういうことをやると、なぜか全く冗談に思えなかった。
目つきが常に本気だからだろうか?
ウィルは瞬時に噴出した額の冷や汗を吹きながら、そんなことを思った。
たしかに、死んでみるというのも一つの手かもしれない。
死んでこちらの世界に来たのならば、戻れる可能性もある。
しかし、もしかすると次の行先は本当に天国か地獄かもしれない。
リスクが大きすぎる賭けだ。
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