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「で、どうして隊長殿が着いてくるんだ?」
ウィルは7トントラックの補助席で、こちらにフリントロックピストルを突き付けているアルティミスに訪ねた。
アイリスが彼女に許可を貰いに行ったところ、なぜか彼女が自分に付き添う形になったのだ。
まだ傷が癒えていなかったため、アイリスに支えてもらいながらここまで来たのだが、その間も彼女は自分の後ろで、ずっと銃を構えて着いてきていたのだった。
まあ、当然といえば当然の判断だ。
王女様に銃を向けたような奴の、こんな願いを聞いてくれるだけで十分優しい。
本来なら自分は即刻銃殺されていてもおかしくはない。
むしろ、アイリスの自分への接し方の方が変なのかもしれない。
「アイリスは優しすぎる。というか、甘すぎる。貴様が隙を見て攻撃してくるかもしれんからな。不安だった。」
「まあ、正当な判断だと思うけどな。」
「いや、私は王女様の定めた方針に従っているだけだ。私が判断できる立場なら……。」
「立場なら?」
「とっくに引き金を引いている。」
「なるほど。」
ウィルはそういうと、アクセルを踏んだ。
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