②鬼籍

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朝、目を覚ました椎名直樹は大きく伸びをした。 そう言えば昨日の夜、女の子を泊めた事を思い出す。 朝ご飯を作ってやろうと思い立ち、部屋をでる。 そして、リビングに着いた所で、テーブルの上にメモ帳が置いてあるのに気がつく。 あれ?電話の横に置いてあったはずなのに……。 近づいて見ると、何やら書かれていた。 《ありがとう》 椎名直樹は直ぐに、昨日の女の子が書いたものであると思い至る。 貸した部屋へ行き、ノックをするも返事はなく、案の定私は居なかった。 家に帰ったのだと納得も出来たが、昨日の出来事や女の子の言動を思い返す。 心配だ……。 余計なお世話かも知れないが、一応探して見る事にした。 鍵、財布、携帯をポケットに入れて家を出る。 自分は何でここまで見ず知らずの女の子にしてあげているのだろうか。 しばらく考えて、意味の無い事に気が付く。 人助けに理由は要らないから。 強いて言えば、彼女が平凡な日常を壊してくれるきっかけをくれる気がしたから。
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