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帰り道の途中に公園がある。
明るいうちは子供たちで賑わうが、暗くなると全く人気が無くなる。
いつも通りに通り過ぎようとした椎名直樹は思わず足を止めた。
誰かが倒れている。
見過ごす事何て出来ずに駆け寄って見ると、少し年下に見える女の子、私だった。
「おい!どうしたんだ?こんな所で!」
揺らした肩はとても華奢で、今にも壊れてしまいそうだ。
微かに開いた私の目はすぐさま驚きで見開かれる。
伸ばされた手を叩くとすぐに距離をとる。
伸ばした手を叩かれた椎名直樹は手に走った激痛に顔を歪ませた。
見ると、黒い痣の様なものが浮かんでいた。
何だこりゃ?
我慢出来ない痛みでは無かったので、痛みは無視して、私に向き直る。
「ほら、大丈夫だから、何もしないからさ、怖がらないでよ」
私はじっと警戒するも、不意に鳴ったお腹の音で中断してしまった。
見かねた椎名直樹は、コンビニで買ったおにぎりが残っていたのを思い出す。
「ほら、お腹すいてるならさ、これ食べなよ」
ご丁寧に包みが剥がされたおにぎりを受け取った私は、結局、それを口いっぱいに含むのだった。
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