①唐突な始まり

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「私の能力」 そう言って、私は自分の影を纏った。 私の体中に影が紋章を刻み全身に入れ墨を入れたようになる。 「影仕えの一族に生まれた私は影を操る事が出来る。まあ、知った所で忘れるんだから意味は無いか……」 そう言って、私は椎名直樹の頭へと手を伸ばす。 《記憶ノ剥奪》 相手の記憶を影を媒介に奪う術。 椎名直樹は突然の激しい頭痛に気を失った。 ……はずであった。
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