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さて、どうしたものかと椎名直樹は悩んでいた。
一体何を作ればいいのか、と。
暫く考える。
女の子だから、栄養が偏らない方が良いだろう。
中華は好みがあるし、和食は質素になってしまうだろう。
やはり、待たせている手前、あまり時間をかける訳にもいかないだろう。
結果、このメニューに落ち着いてしまうのだ。
パスタとサラダ
「さあ、どうぞ召し上がれ」
「……いただきます」
そう言ったものの、私はじっと椎名直樹を見つめていて食べ始めない。
仕方が無いので、椎名直樹は先に自分が食べる。
いつもより少し気合いを入れて作ったので、割と美味しいはずだ。
私もやっと、フォークと皿をカチャカチャ鳴らしつつもパスタを食べる。
「……美味しい」
「ゆっくり食べろよ?」
静かに食事が進む。
椎名直樹は普段の食事中の両親の騒がしさを思い、こういうのも悪く無いと実感したのであった。
「……ごちそうさまでした」
「お粗末様でした。お風呂を沸かしておいたから、入ってきなよ」
そう言って、椎名直樹は食器を下げて洗い始める。
「覗かないでね」
「ねぇよ!」
そして私は、場所を聞いてお風呂場へと向かった。
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