①唐突な始まり

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さて、どうしたものかと椎名直樹は悩んでいた。 一体何を作ればいいのか、と。 暫く考える。 女の子だから、栄養が偏らない方が良いだろう。 中華は好みがあるし、和食は質素になってしまうだろう。 やはり、待たせている手前、あまり時間をかける訳にもいかないだろう。 結果、このメニューに落ち着いてしまうのだ。 パスタとサラダ 「さあ、どうぞ召し上がれ」 「……いただきます」 そう言ったものの、私はじっと椎名直樹を見つめていて食べ始めない。 仕方が無いので、椎名直樹は先に自分が食べる。 いつもより少し気合いを入れて作ったので、割と美味しいはずだ。 私もやっと、フォークと皿をカチャカチャ鳴らしつつもパスタを食べる。 「……美味しい」 「ゆっくり食べろよ?」 静かに食事が進む。 椎名直樹は普段の食事中の両親の騒がしさを思い、こういうのも悪く無いと実感したのであった。 「……ごちそうさまでした」 「お粗末様でした。お風呂を沸かしておいたから、入ってきなよ」 そう言って、椎名直樹は食器を下げて洗い始める。 「覗かないでね」 「ねぇよ!」 そして私は、場所を聞いてお風呂場へと向かった。
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