成り立ち

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父親と母親が凄く不憫に哀れに感じた 一向に光の見えてこないはるかの病状 しかしお金はかかる一方… 「お母さんとかパパとかかわいそう…はるかのために毎日毎日しんどい思いして頑張って働いて稼いだお金を…はるかは…無駄に使ってる…」 汗水垂らして稼いだお金を娘に過食費にホイホイと費やされている父親と母親がかわいそうで仕方なかった 妹もこんな姉を持ったことで苦労している部分もあるだろう 『誰のために働いてると思ってんの⁉』 数年前に母親から言われた言葉が突き刺さっていた はるかが病気さえしなければ はるかが学校にさえ行かなければ はるかさえ存在しなければ母親や父親は苦労せずに済むのだ はるか…やっぱ死のう… 死んだ方がはるかも楽やし お母さんも楽になるし パパも楽になるし 「そんなわけないやろ‼ 金の問題とはるかの命を天秤にかけるヤツがおるか‼ 金はなくなってもなんとかなるけどはるかは一度なくなったら二度と帰ってこんねんで⁉ 金がない辛さとはるかがおらん辛さなんて比べもんにならんっての‼‼」 と彼氏 「俺と二度と会われへんくなってもええんか⁉」 …別にいい この苦しみから逃れられるなら… もういい…うるさい…黙って… 死ぬのやめるからその口ふさいで… めんどくさい… お母さん…パパ… こんな娘に育ってごめんなさい… はるかは…何をすればいい… 今のはるかにどう救いようがある… 左腕には、また十数本の切傷が増え、ポタポタとドス黒い血が流れていた ごめんなさい… ごめんなさい… ごめんなさい… みんな… 生まれてきてしまって… ごめんなさい
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