成り立ち

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そんな中、中学校の卒業式を迎えた はるかの通っていた中学校は兵庫県西宮市にある武庫川女子大学附属中学校と言う学校で、中高一貫教育の学校 なので多くの生徒は、中学校を卒業しても同じ敷地内に通うことにはかわりない 大学へも難なく入れる いわゆるエスカレーター式というやつだ はるかが教室に入ると 「はるかぁー😭‼」 「はるぅぅ‼‼‼」 「しろちゃぁん😭‼」 と皆が寄ってたかってハグやらハグやらハグをしてくれた笑 人に触れるってこんなに嬉しいもんやったかなぁ… ここ数ヶ月間、自分以外の人間に触れてなかったな… 喉の奥に熱いものを感じた その中の一人、なっちゃんと言う美人で面倒見のいい姉御肌の友達が、はるかの左腕をそっと触った …アームカット、リストカットの跡だ 「あたしの大事な大事なはるかやねんから、もうこんなことしちゃあかんよ? …かわいそうに… はるか…」 と言って頭を撫でたあと抱きしめてくれた はるかの中で何かの糸がスルスルほどける気がした 気付けば、なっちゃんの胸で大泣きしていた 大泣きしているはるかの頭を、なっちゃんは抱きしめながら優しく頭を撫でてくれた 「うん、泣き泣き😃 そりゃ11歳も年下の妹がおれば家でなんて思いっきり泣けへんよな はるか… この8組のみーんなはるかのこと忘れてなんかおらんかったんよ? みんなみーんなはるかと会えるの楽しみにしてた みんなはるかを仲間として待ち続けてたんやで…」 うそ…ほんまに…? だってはるかは… 「はるかはいらん人間じゃないん!? 卒業証書もらう資格も、ここにおる資格もないんじゃないん!?」 バシッ 背中をしばかれた笑 「何を言うてんの!!涙笑 みんなはるかを… はるかを…」 顔を上げると、おなじみの顔がそろっていた かやま…ゆい…たかの…あみちゃん…さっこ…まゆ…むう… まともに話したこともないような子までがはるかを囲んでくれていた あ…? 人間…怖くない…? 仲間…?友達…? はるかの存在…?
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