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この日を境に、はるかは母親と頻繁に話をするようになった
母親ははるかの話をちゃんと聞いてくれた
「何で早く言ってくれんかったん!!」
…は?
だってお母さん…
仕事で忙しいやろうと思って…
…お母さんがかわいそうやと思って…
ん?
ちょっと待て…
「あんた母親に気ぃつこうてんの?」
…うん
「お母さんに気ぃつこうて何も言わんかったん?」
はい…そうです…
「それでこんな痛い痛いことしたん!?」
いや…これは…
「…まぁ何て言うか…
言葉に出来ん苦しさをこうやって表したと言うか…
痛みすら感じんくなるのが怖くなっていったと言うか…」
「…言うてくれればいいのに…
お母さんもどうしたらいいかわからんかったんやで!?
かわいいかわいい自分の娘が辛い辛い思いしてるのは分かってたけど、それに触れると逆効果かなぁと思って触れんかってんで…
ごめんなぁ…気付いてやれんくて…」
そう
親子してお互いに気を使い合い
親子してお互いに触れることに臆病になっていたのだ
殻に閉じ籠ったはるか…
それを割って出すことに臆病になっていた母親…
はるかはやっとまわりが見えてきた
まわりが自分を拒んだのではなく、自分がまわりを拒んだのだと
もちろん、100%そういうわけではないが…
母親と娘、お互いに歩み寄ると言うことをしなかったのだ
体も心も傷だらけになってから、ようやく気付いた
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