漆黒

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果てしなく続く過食、そして嘔吐… 毎食、並の人間の食事量の3~4倍を胃に入れては5分とたたないうちに嘔吐が襲う 拒食症から一転、なぜ過食症になったのか それは拒食症の時に空腹感を抑えつけていた分、今度は食べ出したら歯止めがきかなくなるためだと言う 簡単に言えば、拒食症の時のツケが回ってきたのだ 胸の中は罪悪感でいっぱいだった 1日2000円、ひどい時は4000分くらいを過食する食べ物に費やすが、結局全て嘔吐してしまう 吐いた後いつも 「あー… 食べ物お母さんパパごめんなさい…」 と呟いてトイレに流す 時には過食嘔吐と、過食嘔吐する自分自身が醜くく汚く恐ろしく嫌になったのでまたリストカットする日もあった 「はるかはバケモノや…」 「汚い…嫌…」 「太りたくない…」 「怖い…」 完全に全然嘔吐し終わったら 「これで太らないですむ!!」 と安心する気持ちとは裏腹に、本能はどうしようもない空腹に襲われる はるかは、理性と本能とのあまりの食い違いにパニックを起こし 時には自殺をはかり 時には凶変した 我にかえれば変わり果てた自身の姿と部屋に、また悲しみを呼ぶ 右へ行っても左へ行っても地獄だった
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