光の現在、闇の過去

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「―――いってきます。」 毎朝、私は何回繰り返しいっただろう。なぜつい最近まで言わなかったことを今さら言うのだろう。 「いってらっしゃいませ、未由様。」 そう私にいってきたのは、友月家の分家、九棚家の人の九棚祐也。 私の名前は、本家である友月家の、友月未由。 私の通う傘陽学園の生徒なら…………だれしもがしっている名前。 その時、 「まってよー!ミユー!」 と、私に向かって大声をあげる金髪碧眼の少女。 「あ……、ごめん、アリッサさん、忘れてた。」 そう、彼女の名前はアリッサさん。アリッサ=クラノ=ストーリング=ライト。 ――――私を、変えてくれた、二番目の人。 「忘れてたって酷いじゃない!あたしといつも一緒に行くのに。」 「ごめんね。今日は、ちょっと考え事してたから。」
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